ボームのオズ以外の本

（内容）
トロットと、父の友人であり下宿人でもあるキャプテン・ビルは、いつものようにボートを海に浮かべて楽しんでいたところ、人魚に出くわす。人魚たちの招きに誘われるまま海の中へと導かれていく。人魚の女王に歓迎され、あちこち見物に連れて行ってもらい、二人は海の中の世界に魅せられる。ところが、女王自らの案内であざらしと亀の島を訪問した帰り道、Zogの手下に捕まってしまう。Zogは邪悪な魔法使いで、人魚を捕まえて殺そうと狙っていたのだ。人魚は不死身なのだが、その魔法の力を打ち破ってみせると豪語するZog。いっしょに捕まったトロットとキャプテン･ビルの命も危うくなる。危機に陥るたび女王の妖精の魔法でなんとか逃れるが、その力も尽き、これまでかと思われたところ、海の王であるKing Ankoに助けられる。King Ankoの命令もあり、元の世界に戻るトロットとキャプテン･ビル。人魚の女王に指輪をもらい、無事に陸に戻る。

（感想）★★★☆☆
トロットとキャプテン・ビルの初登場作品。けっこう面白かった。海の世界も楽しかったし、敵役のZogもなかなか魅力的。誰をも愛さず誰からも愛させず（「愛されず」じゃなくて「愛させず」というところがポイント）、でも家来達はZogのこと、恐れながらも慕ってるんですよね、意外と。捕虜の扱いも丁重だし。Zogのお付きの少年Sachoの人生哲学も素敵。

（内容）
トロットは、家の近くの海岸で、＜魔法の傘＞でここまで飛んできたというボタン･ブライトという少年と仲良くなる。キャプテン･ビルもいっしょに３人で＜魔法の傘＞でのフライトを楽しもうとするが、誤って空中に浮かぶ島Sky Islandに着いてしまう。Sky Islandにはブルーの国とピンクの国があったが、３人はブルーの国の支配者Booloorooに捕まり、＜魔法の傘＞も取り上げられ、帰れなくなってしまう。なんとかピンクの国へと逃げ出す３人。虹の娘ポリクロームの助けもあり、ピンクの国の女王となったトロットは軍勢を引き連れて再びブルーの国へと向かう。戦いの最中捕虜になってしまったキャプテン･ビルを救うため、トロットは単身城の中に乗り込み、最後にはBooloorooを捕えて自分がブルーの国の女王となる。＜魔法の傘＞を取り戻したところで、トロットに代わる統治者として二つの国それぞれにふさわしい人物を選び、３人は帰路につく。家に戻ったボタン･ブライトは、＜魔法の傘＞を父親に取り上げられトロットにすぐに会いにいけなくなったこと、今回の冒険を決して忘れないことなどをトロットに書いてよこす。

（感想）★★★☆☆
ボタン･ブライトとトロットたち、ここで最初に出会ったのですね。佐藤高子訳で読むオズシリーズで思っていたより、ボタン･ブライトがずっと普通の少年のように感じました。でも初登場はオズシリーズが先ですよね？うーん彼の事、まだ掴めていません、私。次々に目の前に困難が立ちはだかって、それぞれの間に余分な（？）エピソードが挟まっていて…、まあボームのいつものやり方ですけど、もう少し短くコンパクトに書いてくれたほうがよかったかな、という気がしました。

（内容）
うーん。なかなかまとめづらい内容です。どこにポイントをおけばいいのか。とりあえずやってみます。
幸運の星の下（？）、ノーランドの王となった少年バドとその姉フラフ。隣国イックスのジクシー女王はフラフが妖精からもらった魔法のマントが欲しくてたまらず、変身してノーランドに乗り込みます。しかし見破られて、今度は戦争で実力行使。それも失敗して、そこでやっと自分の願いがいかに愚かなものであったかに気づきます。
一方、ノーランドは新たな敵Roly-Roguesにあっというまに占領されてしまい、危うく難を逃れたバドとフラフは、ジクシー女王に助けを求めます。ジクシー女王は快くこれを受け入れ、一丸となってRoly-Roguesをやっつけます。最後の最後にまたも問題発生！ですが、妖精の女王が登場して話をまとめてくれます。

（感想）★★★★☆
よくできたお話だと思います。なんとなく先の読めるオズシリーズと違って展開が見えないので、最後までわくわくして読めました。「みんなの願いがかなってめでたしめでたし」と終わらないところがボームっぽいかも。ところどころに教訓めいたエピソードも出てくるところも"らしい"気がします。、

（内容）
お金持ちのお嬢様で少し病弱なDotは、静養のために父親に買ってもらった新しい家で、庭師の息子Totと仲良くなる。二人はボートに乗って遊んでいる間に流され、着いた所はおとぎの国Merryland。蝋人形の女王が治めるこの国には、７つの谷があり、それぞれの谷にユニークな人達が住んでいた。ピエロの谷、キャンディの谷、赤ちゃんの谷…。中央の谷で二人は女王に出会う。外の世界からこの秘密の谷を守るため、女王は二人を養子とし、DotとTotはそれぞれ王女と王子になる。二人は女王の視察に同行させてもらい、残り３つの谷をめぐる。しかしやがて家に帰りたくなった二人に女王は「誰もが楽しくすごす国、それがMerryland。帰りたいと思っている人をこれ以上引きとめるわけにははいかない」と二人を帰してくれる。無事に帰ってきた二人を喜んで迎える親達。Dotはこの冒険を経験し、健康を取り戻した。

（感想）★★☆☆☆
なんてったって薄い！短い！話も単純！特に盛り上がるところもないんだけど、まあ、さーっと読めます。次々に谷を訪問していくので、「今度の谷では何が起こる？」とちょっと楽しくもあります。が、まあそんなに「おすすめ」という感じではないです。ただぐるっと回って帰ってくるだけなので、つまらないといえばつまらない。でも、オズマの誕生パーティに来ていた蝋人形の女王様、ずーっと気になっていたので、彼女のことが詳しくわかっただけでもよかったかな。いい人ですよ。彼女の名前が最後の最後まで明かされないので、読んでる間中、気になって気になって。最後で、「あーそーか」と。まあ言われてみれば、って感じなんですけど。

ボームのオズ以外の作品（オズに関連するものだけ）